楽しみ方の紹介ページです。

楽しみ方

1.蒸留所、ボトルによる楽しみ
モルトウィスキーは生産地域による特性もあるにはあるが、蒸留所ごとに見事なまでに個性あるものを生産している。まず、蒸留所ごとの違い、個性、歴史などをひもといてみるとおもしろいだろう。
 
次に同じ蒸留所のオフィシャルボトルでも熟成年数の違い、使用する樽の違い、度数の違いなどによりまた味わいが異なる。例えば、グレンモーレンジは年数の違いで12年物、18年物を、樽の違いでシェリー・ウッド・フィニッシュ、ポート・ウッド・フィニッシュ、マデイラ・ウッド・フィニッシュを、度数の違いでカスク・ストレングスなどを出しており、同じ蒸留所のボトルとはいえ、どれも味わいは異なっている。
 
さらに、モルトウィスキーの世界には独立瓶詰業者(ボトラー)というものが存在する。ボトラーは蒸留所から樽でモルトウィスキーを仕入れ、瓶詰して販売することを商いとしているが、多くのボトラーは自社で熟成を施し、蒸留所が出すオフィシャルボトルとは異なる年数、異なる度数で販売している物が多い。ボトラーまで範囲を広げるとモルトウィスキーのボトルはたいへんな種類となり、実に幅の広い世界となる。
 
モルトウィスキーの蒸留所としては現在飲めるもので100ちょっとしかなく、全ての蒸留所のどれかのボトルを飲むことは比較的容易であるが、全ての蒸留所の全てのボトルをボトラー物まで含めて飲むことは容易ならざることである。こうした個性にあふれ、奥の深い世界がモルトウィスキーの魅力のひとつとなっていると言えるだろう。
   
2.モルトウィスキーの味わい方
モルトウィスキーを評価する基本は色、香り、味わい、フィニッシュだ。まず、グラスに注ぎ、色を見る。見事な琥珀色をしたもの、非常に薄く白ワインのようなものとさまざまだろう。次に香りを楽しむ。香りはグラスに鼻先を突っ込むようにして楽しむ。グラスを回してから嗅げばより強く香りを嗅ぐことができる。非常に華やかな香りのもの、スモーキーなものといろいろに感じることができるだろう。実はモルトウィスキーを楽しむ上ではこの香りが最も重要なファクターとなっている。じっくり、香りを楽しもう。
 
次に口へひとくち含み、味わいを楽しむ。モルトウィスキーを味わうには舌の先では無理なので舌の奥の方と側面で転がすように味わうようにしよう。ここでも様々な個性を感じることができるだろう。プロのブレンダーはここでモルトウィスキーを吐き出してしまうが、そんなもったいないことをする必要は全くない。充分に味わいを楽しんだらゴクッと飲み込もう。飲み込んだ後にわき上がってくる残り香。それがフィニッシュだ。ここでもモルトウィスキーによって多くの個性が出てくるだろう。

こうした味わい方を一杯のモルトウィスキーで、いろいろなモルトウィスキーで繰り返しながら自分なりの好みのモルトウィスキーを見つける。なんとも素晴らしい世界とは思いませんか。
   
3.モルトウィスキーの飲み方
飲み方は大きく分けてストレート(スコットランドではニートという)、オン・ザ・ロック、水割りがあるだろう。もっともお薦めしたい飲み方はやはりストレートである。モルトウィスキーの持つ色、香り、味わい、フィニッシュを楽しむにはやはりストレートが一番だ。しかし、ストレートは喉や胃に多大の負担をかけることもまた事実。そこでお薦めしたいのがチェイサーを有効に使うことだ。チェイサーはストレートをバーで頼めば必ず付けてくれる水のこと。モルトウィスキーをストレートでじっくり味わったら、すかさずチェイサーをぐっと飲むのだ。こうすれば体への負担はずっと減らすことができる。チェイサーはふつう何口か酒を飲んでからあおる人が多いが、モルトウィスキーを一口飲んだらチェイサーも一口飲むといい。チェイサーはいくら頼んでも通常はタダなのだから。
 
とは言え、ストレートではどうしても飲めないという方もいらっしゃるだろう。そうした時は水割りをお薦めしたい。水割りといっても日本でよく出される氷をいれ水をじゃぶじゃぶ注いだものではなく、水だけを入れた水割りである。その量配分はモルトウィスキー1に対し水を1まで。それ以上で割るとモルトウィスキーの個性を楽しむのは困難になる。水は少量入れた方が実はモルトウィスキーの香りはよく出るため香りを楽しむにはいい飲み方である。ここで、くせ者なのが氷である。氷は大切な香りを消してしまう。水割りで水だけを入れた水割りといったのはこうした理由があるからだ。これは、オン・ザ・ロックにももちろん言え、もっとも香りを消してしまうのはオン・ザ・ロックである。モルトウィスキーは赤ワインと同様に常温で味わうべきもので、ストレートもしくは水割りで楽しむのがよい。
   
4.モルトウィスキーに使用するグラス
グラスはワイングラスやショットグラスでも構わないが、やはりチューリップ型のグラス(またはスニフター・グラス)がよいと思われる。チューリップ型のグラスはもっとも香りが嗅ぎやすく、また、逃げにくいからだ。チューリップ型のグラスを使う場合の注意点はブランデーを飲むときのように手のひらで包み込むようにグラスを持たないことだ。足の部分を持ってさりげなく飲むようにしよう。その方が絶対にかっこいい。