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用語解説

■ピート
ヒースなどの潅木が堆積してできた泥炭のこと。スコットランドでは古くから燃料として使われてきた物。モルト・ウィスキーの工程では発芽した大麦の進行を止めるためピートを焚き乾燥させる。モルト・ウィスキー独特のスモーキーな香りはこのピートを焚くことによりつく。ピートは地域によって性格が異なっており、スコットランド本島のピートは花や潅木が中心となって出来上がっており、ピートのスモーキー・フレーバーに花の香りが織り込まれる。一方、アイラ島のピートは海藻が中心となっており、その中のヨウ素が今でも残っている。アイラ・モルト独特のヨード香はこのヨウ素分によってもたらされるものである。

■ポット・スチル(Pot Still)
モルト・ウィスキーの蒸留に用いる蒸留器のこと。

■樽(Cask)
モルト・ウィスキーの熟成に使われる樽(Cask)はいくつかの種類があるが主な物は以下の3つ。

・バーボン樽 
アメリカンオークで作られた樽で、バーボンウィスキーの熟成に使われた古樽。

・シェリー樽
スパニッシュホワイトオークで作られた樽でシェリー酒を熟成させた古樽。

・プレーンオーク
一度スコッチウィスキーの熟成に使われた古樽のことで、いわば再々使用した樽のこと。元がバーボン樽、シェリー樽どちらでも問わない。リフィルカスクという場合も同意義。

■カスク・ストレングス(Cask Strength)
モルト・ウィスキーは通常水を加えて度数40度もしくは43度にして瓶詰される。カスク・ストレングスは加水をせずにそのまま瓶詰したもの。度数は50〜60度くらいに達する。日本語に訳して樽出しという場合も同意義。

■プルーフ(proof)
プルーフはアメリカ、イギリスで使用されるアルコール度数の表示方法。しかし、アメリカとイギリスでは基準が違うので話がややこしい。アメリカの場合は日本のアルコ−ル度100度を200プル−フと表示する。ウィスキーではないがロンリコ151という有名なラムはアメリカのプルーフで標記されており、なんと75.5度もあるきつい酒なのである。片やイギリスの場合は日本のアルコール度100度を175プル−フと表示する。有名な例で言うとグレンファークラス105はちょうど60度、マッカラン100は57度ちょいとなる。ところがイギリスの一部の業者ではアメリカのプルーフ表示を使う業者もあり、さらに話をややこしくしている。

■UDV(ユナイテッド・ディスティラーズ&ヴィントナーズ)
United Distillers&Vintners。ユナイテッド・ディスティラーズ&ヴィントナーズ社。スコットランドにおける業界の最大手。モルト・ウィスキー蒸留所の半数近くの所有者となっている。UDVの前身は黒ビールで有名なギネス社のスピリッツ部門を担う企業であったUD(ユナイテッド・ディスティラーズ)社。1997年、ギネス社はグランド・メトロポリタン・グループと合併。グランド・メトロポリタン・グループは傘下にIDV(インターナショナル・ディスティラーズ&ヴィントナーズ)を保有しており、UDとIDVも合併しUDVが成立した。

■花と動物シリーズ
UDV社が所有する蒸留所のモルト・ウィスキーを瓶詰めしたシリーズ。UDV社所有蒸留所のオフィシャル・ボトルである。ボトルのラベルデザインは共通化されており、花や動物の絵が描かれていることから花と動物シリーズと呼ばれている。

■UDVクラシック・モルト・シリーズ
UDV社が所有する蒸留所の中から選ばれた6本のモルト・ウィスキーのこと。各地域から1本づつ選定されている。その6本とはクラガンモア(スペイサイド)、ダルウィニー(ハイランド)、オーバン(ウエスト・ハイランド)、グレンキンチー(ローランド)、ラガヴーリン(アイラ)、タリスカー(スカイ島)である。

■瓶詰業者
蒸留所からモルト・ウィスキーを仕入れ、瓶詰して販売する業者のこと。ゴードン&マクファイル、ケイデンヘッド、キングスバリー、ジェームス・マッカーサー、シグナトリーなどが主な瓶詰業者。独立瓶詰業者(Independent Bottler)やボトラーとも言う。

■グレンモーレンジplc(Glenmorangie plc)
グレンモーレンジ蒸留所、グレン・マレイ蒸留所を所有する会社。1997年にアードベッグ蒸留所を傘下に加えた。

■アーサー・ベル&サンズ(Arthur Bell&Sons)
有名なブレンデッド・ウィスキーであるベルを製造する会社。かつてはブラドノック蒸留所、ブレア・アソール蒸留所、インチガワー蒸留所、ダフタウン蒸留所と4つの蒸留所を独自に所有していたが、アーサー・ベル&サンズは1985年にUD社に買収され、4つの蒸留所もUD社の系列となった。現在でもこれら4つの蒸留所のモルト・ウィスキーはベルの主要原酒となっているが、以前はオフィシャル・ボトルとしてこれら蒸留所のボトルがアーサー・ベル&サンズの名前で出されていた。アーサー・ベル&サンズ時代のモルト・ウィスキーは今でもときどき見かけるが、じきになくなることは確実なので見かけたら今のうちに飲んでおこう。

■ アライド・ディスティラーズ(Allied Distillers)
1988年、ジョージ・バランタイン&サンズ(ハイラム・ウォーカー・スコットランド)、ウィリアム・ティーチャーズ&サンズ、スチュアート&サンズの3社が合併して生まれた企業。バランタイン系列の蒸留所、ティチャーズ系列の蒸留所(アードモア、グレンドロナック)、その他の蒸留所を束ねる。その規模は最大手のユナイテッド・ディスティラーズ&ヴィントナーズ社に次ぐ。本部はダンバートンにある。

■バランタイン魔法の7柱
日本でも有名なブレンデッド・ウィスキーであるバランタインの中核をなすモルト・ウィスキーのことをいう。その7柱とはアードベッグ、バルブレア、グレンバーギ、グレンカダム、ミルトンダフ、プルトニー、スキャパである。1937年に作られたバランタイン17年にブレンドされていたメインの原酒がこれら7つで、この時からバランタイン魔法の7柱と呼ばれるようになった。もちろんバランタインはこれだけで出来ているわけではないが、バランタインの魅力的な味を形作る柱のモルト・ウィスキーという意味で使われている。

■ローモンド・スチル
ハイラム・ウォーカー社が1950年代に開発した特殊なポット・スチル。上部が円筒形になっていることが特徴。ローモンド・スチルはハイラム・ウォーカー社が当時所有していたインヴァーリーヴン、グレンバーギ、ミルトンダフ、スキャパの各蒸留所へ順次導入された。現在はグレンバーギ、ミルトンダフでは使われていない。

■スピリッツカラメル
甘みを除いた天然のカラメル。スコッチ・ウィスキーではスピリッツカラメルを添加することを認めているが、これは甘みを調整するためではなく着色料としてのみ使用される。

■キャンベルタウン(Campbeltown)
スコットランド南西のキンタイア半島先端にある街。かつてはウィスキー産業の中心地で、19世紀後半には狭い街の中に30もの蒸留所がひしめいていた。しかし、現在は、スプリングバンク、グレン・スコシアの2蒸留所しか残っていない。キャンベルタウンは天然の良港に恵まれたこと、石炭の鉱脈があったこと、大麦の主産地であったことなどが要因で大いに栄えた。しかし、石炭は掘り尽くされ、海運は時代遅れとなり、アメリカ禁酒法の時代に大量の粗悪品ウィスキーを生産したことが命取りとなり、衰退していった。