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ウィスキーエッセイ2

その2.モルト・ウィスキーの味わい方、楽しみ方

みなさん、今晩は。MALT BARへようこそ。シリーズその1.みなさんご理解していただけたでしょうか。読者の声として「文が長い」「目が痛くなる」「読みづらい」などを元に、少しずつですが文面の作成を変えていきたいと思います。シリーズその2では文章を章立てし読みやすくなるよう工夫しました。内容はモルトウィスキーの魅力を味わい方、楽しみ方から紐解いていきます。ただし、ストレート、水割りなどの飲み方については触れていません。どんなスタイルでも構いません。気軽にMALT BARへお越し下さい。

■ モルト・ウィスキーは味が変化する?
ウィスキーの蒸留所の所在地は様々だ。よって、その土地土地によって味が違うことは分かっているだろう。では、同じ蒸留所で作られたウィスキーは皆同じ味がするのか?答えはノーだ。それは各蒸留所とも年数の異なるウィスキーを製造しているし、年数が同じであっても色、香り、味が違うものも存在する。例えば、グレンモーレンジ社が出しているウッド・シリーズは最初の10年をバーボン樽とプレーンオーク、残りの2年をシェリー樽、ポート樽、マデイラ樽で熟成し、12年物として3種類製品化しているが、当然これはスタンダード品である10年物とは色、香り、味は異なるし、3種類ともそれぞれ樽の個性が出ていて全く別のウィスキーに仕上がっている。このようにひとつの蒸留所でも製造工程の違いで様々な味に変化するので、スコットランドの全ての蒸留所で考えると無数の味が存在することになる。そんな中で自分のお気に入りの1本を見つけるのは実に大変なことだろう。(また、それも楽しみのひとつなのだが。)

■シチュエーションごとの味わい
瓶詰され、商品として市場に出回っているウィスキーは味が変化するのだろうか?答えはイエス。酒は一度開栓してしまうと味が変わってしまうもの。これはウィスキーに限ったことではない。例えばワインなどはそれがはっきり出るため、デキャンティングという作業(オールドヴィンテージの物に限り、開栓後空気に触れさせながらデキャンタに移し、味を華開かせる作業)があったりもする。だが、アルコール度数が40度以上あるウィスキーの味の変化を人間の舌で確かめるのは無理に等しい。ただ、人の味覚は体調や気分によって左右されるので、場合によってはいつもより苦く感じたり甘く感じたりということもあるだろう。だから、シチュエーションによってウィスキーの銘柄を選ぶのもおもしろいかも知れない。例えば気分を奮い立たせたいならタリスカーやラガヴーリンなどの強烈な香りがするヘビータイプを、逆に落ち着きたい時にはマッカラン。すっきりしたい時はオーヘントッシャンなどはどうだろう。シーンとぴったりの酒と出会った時の喜びはまた格別だ。

■モルトは心の処方箋
古来、酒は神聖な物、または薬と考えられていた。現代においても神祭時に酒はつきものだし、医学が発達していない時代では神に捧げる酒を飲むことによって体が浄化されると考えられていた。カクテルベースで多く使用されるジンも1660年、オランダのライデン大学医学部で発明された薬用酒だし、日本の養命酒もその一種とみなしていいだろう。(ただし、養命酒のカクテルはまだ聞いたことがないが)モルトウィスキーには薬用効果は認められないが、楽しみ方によっては心の治療薬となりうる。まあ、モルトウィスキーに限らず、現代においてアルコールはそういう役割を求められているようだ。いつもより寡黙な夜を過ごしたい気分なら、ショットグラスに注がれたモルトウィスキーを口に含み、舌の上で転がすように味わおう。そのひと口ずつが病んだ心にしみるように効いてゆくだろう。